前回の終わりに、シートラはこう言いました——「家電は、そうはいかなかった」と。
壊れたのは、8年前に買った日立560Lの冷蔵庫。寿命と言われればそれまで——なのに、買い替えにかかった自己負担はほぼ無し。それどころか、結果だけ見れば得をした形になりました。さらにおかしいのは、8年前に買った冷蔵庫が、"今の値段"で戻ってきたこと。
意味がわからない、と思った方——正解です。これには、ほとんどの人が「入っているのに使っていない」あるカラクリが関わっています。火災保険の破損・汚損特約と、再調達価額という言葉。修理不能通告から満額入金まで、数字が全部腑に落ちる順番で、今日は最後まで全部話します。
🐶 シートラ:富士住建で埼玉県内に家を建築。チワワ3匹・爬虫類・水亀と暮らす入居8年目の施主。今回の主役は8年前に買った日立560L冷蔵庫の突然の故障。メーカーから「部品が生産終了で修理不能」と通告されながら、加入していた火災保険(AIGホームプロテクト)の破損・汚損特約を使い、再調達価額(=今の同等品価格)で保険金を受け取った当事者。vol29で食洗機(SBIの保険)の事案を語ったが、今回は別の保険・別の事故での実体験。
🧚 ふじまる:「壊れたのに得って詐欺じゃないの!?」「8年前の冷蔵庫が"今の値段"って意味不明!」と読者の疑問をそのままぶつける妖精。今回は冷蔵庫の修理不能×火災保険の破損特約を舞台に、シートラがカラクリをぼかそうとするたび「数字で言って」と追い詰める役。
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事件は、ある朝に始まりました。冷蔵庫の中がいつもより冷えていない。庫内灯はつくのに、冷えない。日立560Lクラスの大型冷蔵庫——8年前、約25万円で買った我が家の主力機です。まずやったのは、当然メーカーへの修理依頼でした。ところが診断の結果返ってきたのは、「該当部品がすでに生産終了しており、修理対応ができません」という通告。直す手段がない、という意味です。この瞬間、血の気が引きました。
家電には「補修用性能部品の保有期間」というルールがあり、冷蔵庫の場合、製造打ち切りから数年で部品在庫が尽きます。8年前のモデルは、まさにその期限切れの圏内。つまり「壊れた=即・買い替え」という、家電トラブルで一番きつい展開です。クーラーボックスに食材を逃がしながら、頭の中では別の計算が始まっていました——「買い替えると、いくらかかるんだ?」と。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品 | 日立 560Lクラス 大型冷蔵庫 |
| 購入時期 | 約8年前(新築入居時に購入) |
| 購入価格 | 約25万円(当時) |
| 症状 | 冷却不良(庫内が冷えなくなった) |
| メーカー診断 | 部品生産終了につき修理不能 |
※著者宅(富士住建・埼玉県内)の実体験に基づく記録です。金額・症状は一例で、製品・年式・販売店により異なります。
同じ560Lクラスを買い直すと、いくらかかるのか。家電量販店のサイトを開いて、血の気が引いたまま指を走らせました。同等品の現在価格は、20万円超。予定していなかった突然の大型出費です。冷蔵庫は生活に直結するので、「壊れたから来月まで待つ」というわけにもいきません。財布が凍りつくとは、まさにこのこと。
ところがその時、頭の片隅に火災保険の契約書にあった1行がよぎりました。我が家が入っていたのはAIGホームプロテクトの火災保険。そこには「破損・汚損損害」という特約が付いていたはずだ——と。多くの人は火災保険を「火事のための保険」だと思っています。でも実際は、火事以外の幅広い事故もカバーする総合保険であり、その中に家財の"うっかり破損"を補償する特約がある。ただし、ここでふじまるが突いた通り、「経年劣化・寿命による故障」は対象外。問題は、今回のケースがそのどちらに転ぶか、でした。
ここが、今回の謎の核心です。保険申請にあたっては、故障に至った状況を正直に説明しました。結果、今回のケースは「不測かつ突発的な事故」として認定され、破損・汚損特約の対象になりました。ここまでで第一の山は越えています。
そして第二の——本当の驚きは、支払われた金額の計算方法でした。普通に考えれば、8年使った冷蔵庫の価値は、購入時の25万円からどんどん目減りしているはずです。中古価値なら数万円かもしれない。ところが、我が家の契約は「再調達価額(さいちょうたつかがく/新価)」でした。これは、壊れた家財を"今、同等品として買い直すのに必要な金額"で評価するという考え方。古さによる値引き(時価評価)をしないのです。だから、8年前の冷蔵庫が、実質"今の同等品の値段"で戻ってくる——これが「8年前の冷蔵庫が今の値段で戻ってきた」のカラクリでした。
もちろん、うまい話だけではありません。免責金額(自己負担額)が契約で定められており、今回は1万円が支払額から差し引かれました。それでも驚いたのは最終的な入金額です。8年前に22万円で買った冷蔵庫に対して、入金は約28万円——買った時の値段を上回りました。
なぜ買値を超えたのか。からくりは2段構えです。第一に、前述の再調達価額で「今の同等品価格」(家電は容量アップ・価格上昇で8年前より高くなりがち)が基準になったこと。第二に、AIG損保ホームプロテクト総合保険の「臨時費用保険金(事故時諸費用保険金)」です。これは損害保険金が支払われる際に、損害保険金の10%(1事故1敷地内ごとに100万円が限度)が上乗せされる仕組み。事故後の片付けや買い直しの手配にかかる手間・諸費用をカバーする名目のものです。「再調達価額で今の値段 → さらに10%上乗せ → 免責1万を差し引き」という計算の結果、買値を超える入金になりました。入金を確認した時、肩の力が抜けました。
※臨時費用保険金の有無・割合(10%/30%等)・限度額は契約プラン・特約・保険会社により異なります。AIG損保ホームプロテクト総合保険の補償内容は公式および契約のしおり・約款をご確認ください。再調達価額・免責金額・支払可否も契約と事案により異なります。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 8年前の購入価格 | 約22万円 |
| 評価方法 | 再調達価額(新価)=今の同等品価格で評価 |
| 免責金額(自己負担) | ▲1万円 |
| 臨時費用保険金 | +損害保険金の10%(事故時諸費用) |
| 最終入金額 | 約28万円(購入価格22万を上回る) |
※著者宅(AIG損保ホームプロテクト総合保険)の実体験に基づきます。保険金額・支払可否・臨時費用の割合・免責額は契約内容・特約・事案・保険会社の判断により異なります。同じ結果を保証するものではありません。
今回のカラクリの鍵は「破損・汚損特約」と「再調達価額(新価)」。自分の火災保険にこの2つが付いているか、一度確認するだけで"いざという時"が大きく変わります。インズウェブや保険スクエアbang!の無料一括比較で、補償内容の見直し・他社比較ができます。
最後に、8年前の自分への答え合わせです。正直に告白すると、この破損・汚損特約は、契約時に「本当に要るのか?」と削ろうとした特約でした。火事や水漏れならともかく、「うっかり家財を壊す」なんて自分には起きない——そう思っていたのです。残したのは、保険担当者の「家財って、案外うっかりで壊れるんですよ」という一言があったから。その時は半信半疑でした。それが、8年後にまるごと効いた。掛けていたことすら忘れていた特約が、買い替えの出費を帳消しにするどころか、買った時の値段(22万円)を上回る約28万円を返してくれたのです。
なお、本ブログのvol29では食洗機(パナソニック)が壊れた際にSBIの保険を使った話を書きましたが、今回はまったくの別件です。今回使ったのはAIGホームプロテクトの火災保険・破損特約であり、対象も冷蔵庫、事故内容も別。つまり我が家は、8年の間に異なる保険で2回、家電トラブルを乗り切っていることになります。家電は必ず壊れます。その時に効くのは、修理保証が切れた後の「保険の備え」でした。
| 事案 | vol29・食洗機 | 今回・冷蔵庫(vol47) |
|---|---|---|
| 壊れた家電 | パナソニック食洗機 | 日立560L冷蔵庫 |
| 使った保険 | SBIの保険 | AIG火災保険・破損特約 |
| 評価方法のポイント | 保証・補償で対応 | 再調達価額=今の値段で評価 |
| 自己負担・最終収支 | 抑えられた | 免責▲1万でも臨時費用10%で買値超え(22万→28万) |
| 共通の教訓 | 「使わない」と思った特約こそ、壊れた時に家計を救う | |
※著者宅(富士住建・埼玉県内)の実体験に基づく整理です。保険の可否・金額・条件は契約・事案・保険会社により異なります。vol29とは別保険・別事案です。
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