前回の終わりに、シートラはこう言いました——「"家を建てた会社"が、味方とは限らなかった」と。
事件は入居8年目に起きました。3階ロフトの昇降はしご、その取り付け金具のビスが、中で折れた。普通に昇り降りしていただけ。しかも、下地の梁——一番丈夫な構造材に打ってあったのに、です。建てた会社に連絡すると「直す」と言ってくれた。ところが届いた見積は、調査費も、修理費も、壁の補修費も、全部こちら持ちでした。
「建てた会社が直すのに、なぜ施主が調査費まで払うのか」——同じ疑問を、私も抱きました。今日はその"おかしさ"の正体を、怒りではなく仕組みの話として整理します。鍵は「家を建てた会社」と「実際に直す会社・職人」が別物だという、アフターの商流。これを知ると、8年住んだ家の修理を"誰に頼むか"を、施主が選べるようになります。
🐶 シートラ:富士住建で埼玉県内に家を建築。チワワ3匹・爬虫類・水亀と暮らす入居8年目の施主。今回の主役は3階ロフトはしごの取り付けビスが、下地の梁に打ってあったのに折れたという事件。アフター窓口に連絡したところ、原因の再調査費も修理費も施主負担という114,140円の見積が届き、「建てた会社が直すのに、なぜ施主が払うのか」と立ち止まった当事者。ここから「建てた会社」と「実際に直す会社・職人」は別物という、アフターの商流に気づいていく。
🧚 ふじまる:「梁に打って折れる?本当に使い方は悪くなかったの?」と施主側にも切り込み、「建てた会社が直すのに、なんで施主が調査費まで出すの」と読者の疑問を代弁する妖精。今回はアフター不信×施工不良の疑い×修理の商流を舞台に、シートラが感情でぼかそうとするたび「数字で言って」と追い詰める役。一方的な悪口にせず、公平に詰める。
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事件が起きたのは、入居して8年目の春でした。3階ロフトへ昇るための固定式の昇降はしご(ロフトはしご)。その取り付け金具を留めていたビスが、根元で折れたのです。抜けたのではなく、中で折れた。幸いケガはありませんでしたが、昇り降りの途中だったら——と考えると、腹の底が冷えました。
引っかかったのは、折れた場所です。ビスは下地の梁、つまり家の中でも一番しっかりした構造材に打ってあった。下地のない石膏ボードに打った金具がもげる、という話ならまだ理解できます。でも、梁に打ってあるビスが、普通の使用で折れる。私はDIYも自分でやる人間なので、なおさら「これは使い方の問題ではなく、施工か部材の側に原因があるのでは」と感じました。もちろん、これは私個人の見立てであって、断定ではありません。だからこそ、原因をはっきりさせたかった。それが、後の話につながっていきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 3階ロフトの固定式 昇降はしご(ロフトはしご) |
| 発生時期 | 入居8年目(2026年4月ごろ) |
| 症状 | 取り付け金具のビスが折損(抜けではなく折れ) |
| 下地 | 梁(構造材)に打ってあったとアフター来訪時に確認 |
| 使用状況 | 人が普通に昇り降り。過負荷・無理な使い方なし |
| ケガ | なし |
※著者宅(富士住建・埼玉県内)の実体験に基づく記録です。原因については施主の見立てを含み、正式な原因認定ではありません。状況・対応は物件・時期により異なります。
アフター窓口に連絡すると、アフター管理課の方が来訪し、状況を確認してくれました。対応そのものは丁寧で、過去の施工写真も見せてもらい、梁に打ってあったことも確認できました。ここまでは良かったのです。問題はその先でした。「下地に打ってあるのに折れた原因を突き止めるには、大工の職人を連れて再調査が必要」——そして、その再調査の費用も施主負担、という説明だったのです。
届いた見積は、合計114,140円(税込)。金具そのものは数千円ですが、額を押し上げていたのは別の項目でした。原因を調べるために壁を剥がす必要があり、そのクロスの貼り直し(50m分)で約5万円超が乗っています。下の表が、実際の見積の主な内訳です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ロフトはしご取付金具(左右セット) | 2,072円 |
| 固定用ネジ/フランジ付きナット/樹脂キャップ | 642円/632円/518円 |
| ロフトはしご取付施工費 | 29,600円 |
| クロス(材料) | 18,500円 |
| 既存クロス剥がし・貼り直し施工費(50m分) | 51,800円 |
| 消費税 | 10,376円 |
| お見積り合計 | 114,140円 |
※著者宅の実際の見積書に基づく一例です。金額・項目・対応は時期・物件・契約により異なります。
私が引っかかったのは、額の大きさだけではありません。順番です。普通に使ってビスが折れた——施工か部材の側に原因があるかもしれない、というのが私の見立てです。それなのに、原因を調べる費用も、直す費用も、壁を直す費用も、すべて施主負担の見積が来た。しかも肝心の原因はまだ未解明。原因が分からないまま同じ場所に打ち直して、数年後にまた折れたら——その不安が拭えません。奥歯を噛みました。これは「悪質だ」という話ではなく、「順番として、おかしくないか」という、施主としての素朴な引っかかりです。
見積に関して、アフター担当の方から「見積書に『調査費』という文言を入れると、保険会社で保険対象外になることがあるため、あえて『施工費』に含めている」という説明がありました。火災保険(破損特約)に通すための配慮とも取れますし、もやっとするとも取れる、微妙な点です。少なくとも私は、この見積をまだ保険会社に出せていません。納得できる原因説明を、まだ待っている段階です。
家のトラブルは「修理費を誰が・どう負担するか」で結果が大きく変わります。前回(vol47)のように火災保険の破損・汚損特約が効く場面もあるので、自分の補償内容を一度確認しておくと、いざという時の立ち回りが変わります。インズウェブの無料一括比較で見直せます。
ここが、この記事の核心です。私はずっと、「建てた会社=そのまま自社で直してくれる会社」だと思い込んでいました。だから「建てた会社が直すのに、なぜ施主が払うのか」という疑問が湧いたのです。でも仕組みを見ていくと、その前提がそもそも違っていました。
新築のアフター窓口(富士住建のアフター管理課)は、あくまで受付と手配の窓口です。実際に現場を直すのは、メーカーや外注の工務店、大工の職人といった「直す側」。窓口はその間に立って、調査を手配し、職人を段取りし、見積をまとめてくれます。つまり「建てた会社」と「実際に直す会社・職人」は、別の主体なのです。これは私の理解であり、各社で体制は違うはずですが、少なくとも我が家のケースではそう見えました。
そして、間に窓口が入るということは、手配・管理の手間が必ず発生するということ。手間がかかれば、そこに管理費や中間のコストが乗りやすくなる——これは悪意の話ではなく、商流(モノとお金の流れ方)として自然なことです。スーパーで野菜を買うより、農家から直接買う方が安いことがあるのと、構造は似ています。間に入る人が増えるほど、価格は上がり、原因の説明も伝言ゲームになりやすい。「建てた会社が一番頼れて、一番安い」とは限らない——8年住んで、私はようやくそれに気づきました。
では、施主はどう動けばいいのか。実は私は、別件のトイレでその答えを試していました。トイレの引き戸の不具合です。これは建てた会社のアフターを通さず、設備メーカーであるLIXILに直接連絡し、LIXILが直接来て見積もりを出してくれました。原因も対処も、その設備を作った本人から直接聞けたので、話が早く、納得感もありました。この見積は、すでに保険会社に提出済みです。
同じ施主の、同じ時期のトラブルなのに、トイレ(メーカー直)は前に進み、ロフトはしご(アフター窓口経由)は止まっている。この差が、商流の違いを物語っています。間に挟む主体が少ないほど、原因がクリアになり、価格も見えやすく、話も早い。もちろん、何でもメーカー・工務店直が正解というわけではありません。保証の絡みや、誰が責任を持つかの線引きもあるので、窓口を通すべき場面もあります。大事なのは、「建てた会社に頼む」以外の選択肢があると知っておくことです。
※どれが最適かは、保証の有無・トラブルの種類・緊急度によります。著者宅の経験に基づく整理で、すべてのケースに当てはまるものではありません。
| 事案 | ロフトはしご(窓口経由) | トイレ引き戸(メーカー直) |
|---|---|---|
| 頼んだ先 | 建てた会社のアフター窓口 | LIXIL(メーカー)に直接 |
| 実際に動く人 | 外注の大工・工務店(窓口経由) | 作ったメーカー本人 |
| 原因の見えやすさ | 未解明・再調査が必要 | 作った本人が直接確認 |
| 保険への提出 | まだ出せていない(保留中) | 提出済み |
| 8年の学び | 「建てた会社が一番」とは限らない。商流を知れば、修理は"誰に頼むか"を選べる | |
※著者宅(富士住建・埼玉県内)の実体験に基づく整理です。対応・体制・費用は物件・時期・契約により異なります。各社のアフター体制を断定するものではありません。
これから家を建てる方へ——会社選びは「建てる時の価格」だけでなく、8年後のアフターをどう直してくれるかまで見ておくと、後悔が減ります。すまいのいろはPlusなら、複数社のアフター体制まで含めて無料で比較・相談できます。
念のため書いておきます。富士住建で建てたこと自体は、後悔していません。家そのものには満足しています。アフターの方の対応も丁寧でした。だからこそ、「アフターはこういう仕組みなんだ」と知ったうえで建ててほしい——それが、8年住んだ施主から、これから建てる方へ伝えたいことです。
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