前回、第4章を閉じたあと、シートラはこう言い残しました——「8年住んで、一番伝えたいことが残ってる。"建てる前に戻れるなら"——」。その続きを、今日から始めます。
先に正直に言います。家には、大満足しています。点数をつけるなら99点。富士住建で建てたことに、後悔はありません。——でも、その残り「1点」に、いくつか小さな後悔があるのも事実です。そして困ったことに、その1点の正体は、ほとんどが「お金」の話でした。
キーワードは一つ。「建築時なら5000円。後付けだと、数万円。」建てるときに数千円ケチった判断が、8年のあいだに何度も、数万円の出費になって返ってきた——。今日はその後付けで高くついた小さな後悔をTOP3で並べます。これは富士住建への文句ではなく、これから建てるあなたが、同じ失敗をしないための"贈り物"です。※金額はすべて著者の記憶・一例。実際の費用は時期・施工内容により異なります。
🐶 シートラ:富士住建で埼玉県内に家を建築。チワワ3匹・爬虫類・水亀と暮らす入居8年目の施主。第4章ではトラブルと保険を語り終え、今回から第5章「後悔防止と未来へのまとめ編」へ。テーマは「建てる前に戻れるなら、何を変えるか」。家には99点満足という前提を崩さないまま、「建築時の数千円をケチると、後で数万円になる」という小さな後悔を、数字つきで正直に棚卸しする当事者。後悔=全否定ではなく、これから建てる人への贈り物として書く。
🧚 ふじまる:「99点で後悔?贅沢な悩みじゃない?」「で、後付けだといくらかかったの。建築時との差は?」と、感傷を許さず数字で詰めてくる妖精。今回は「満足なのにお金で後悔ってどういうこと」とシートラに核心を吐かせる役。読者が思う「で、結局いくら損したの?」の本音を、容赦なく代弁する。
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本題に入る前に、土台を一つだけ。なぜ「後付け」は、こんなにも高くつくのか。これが腹に落ちていないと、これから話すTOP3が、ただの愚痴に聞こえてしまうからです。
理由はシンプルです。建築中の家は、壁が開いているから。配線も、下地も、職人さんも、その場にすでにいます。だから「ついでにコンセントをもう一つ」「ここに下地を一枚」といった追加は、材料費+わずかな手間賃で済む。多くが数千円の世界です。
ところが、入居後の「後付け」は事情がまるで違います。閉じてしまった壁をもう一度開けるところから始まり、職人さんをわざわざ一人呼び、出張費がかかり、工事のあと壁を塞いで内装を直す。建築時なら"ついで"だった一手間が、ぜんぶ単発の仕事になる。だから、建築時5000円弱だったものが、後付けでは数万円に跳ね上がる。これが、8年住んで何度も味わった現実でした。
これから挙げる「後悔」は、家への不満ではありません。家そのものには大満足(99点)です。あくまで「建てる前の自分が、もう少し先を見越せていたら」という、施主側の判断についての話です。後悔=全否定ではなく、これから建てるあなたが同じ数千円をケチらないための"贈り物"として読んでください。金額はすべて著者の記憶に基づく一例で、実際の費用は時期・施工内容・地域により異なります。
では、8年住んで分かった「後付けで高くついた小さな後悔」をTOP3で。各項目に、建築時ならいくら/後付けだといくらの対比をつけます。これが、このランキングの背骨です。
堂々の1位は、これです。リビングと寝室のコンセント、建てるときに増設を渋った。「3口もあれば足りるだろう」と。——8年後、家はIoT機器だらけになりました。スマートスピーカー、ロボット掃除機の基地、見守りカメラ、スマホの充電、加湿器……。気づけばタコ足配線が床を這い、延長タップが何個も転がっている。見るたびに、苦笑いがもれます。
💰 数字の話:建築時にコンセントを1か所増やすなら、1か所あたり5,000円いかないくらい(壁が開いている"ついで"工事)。ところが後付けで増設するとなると、壁を開けて配線を引き直す電気工事で数万円〜。同じ「コンセント1個」が、タイミングだけで5〜6倍になる。結局わが家は、後付けをあきらめて多口タップでしのいでいます。
📌 教訓:IoTを少しでも見越すなら、コンセントは最初から多めに。「足りるだろう」の3口は、8年後ほぼ確実に足りません。建てる前の数千円が、一番リターンの大きい投資でした。
後付けの電気工事が数万円なら、まずは多口・USB付きタップでしのぐのが現実解。雷ガード・個別スイッチ付きを選ぶと、IoT機器の常時通電も安心です。建築時に増設しそびれた方の、いちばん手軽な"後付けの代わり"。
2位は、ちょっと贅沢な後悔です。和室に掘りごたつを入れました。これはフタをして畳に戻せる収納式で、こたつにも、ふつうの畳にもできる仕様。当時は「冬がぜったい楽しい」と胸を躍らせていた。——実際にこたつとして使ったのは、最初の1年くらいでした。以降はずっと、フタを閉めた畳の状態で過ごしています。天を仰ぎました。
💰 数字の話:救いは、畳に戻せる収納式だったこと。撤去や改修の出費は発生していません。それでも、掘りごたつ仕様に割いた建築時のコストと床下スペースを、ほぼ活かせていないのは事実。「その予算を1位のコンセントに回していれば」と考えれば、立派な機会損失です。憧れには、お金がかかります。
📌 教訓:憧れで付ける設備は、「8年後も使うか」を冷静に。カタログで心ときめいた機能ほど、暮らしに馴染むかは別問題。畳に戻せる仕様にしておいたのは正解でしたが、こたつ機能そのものは、わが家の暮らしには馴染みませんでした。
3位は、DIY満足のなかに残った、ごく小さな心残り。駐車場は砂利敷きにし、グラベルフィックス(砂利を固定する樹脂製のハニカム材)を入れて固めています。これは大正解で、砂利はほとんど動かず、減りもほぼありません。ただ、それでもタイヤの溝に細かい砂利が挟まって、車を出すたびに少しずつ外へ持ち出されていく。道路に散った砂利を、ときどき箒で戻している自分がいます。
💰 数字の話:正直、これは「後悔」と呼ぶのも申し訳ないレベルです。グラベルフィックスで固定したこと自体は、心から満足しているから。強いて言えば、駐車スペースの一部だけでも土間コンクリートにしていれば、タイヤが連れ去るぶんの砂利すらゼロにできたかも——という程度。土間コンは砂利+固定材より割高(一般に数万円〜十数万円規模の差)なので、コストと手間を天秤にかければ、今の選択でほぼ正解だったと思っています。
📌 教訓:「ほぼ満足」の中の数%にも、原因と対策はある。大きな後悔ではない。けれど「タイヤが砂利を運ぶ」というごく小さな現象にも、ちゃんと理由(接地面の素材)がある。完璧を求めるなら駐車面だけ素材を変える手もあった、という小さな気づきです。
| 後悔 | 建築時なら | 後付けだと | 悔しさ |
|---|---|---|---|
| 1位 コンセント3口→6口 | 1か所5,000円弱 | 電気工事 数万円〜 | 大 |
| 2位 掘りごたつ畳化 | 建築時コスト+床下 | 畳に戻せて撤去費なし | 中(機会損失) |
| 3位 砂利のタイヤ持ち出し | グラベル固定で満足 | 駐車面を土間コンなら+数万円〜 | 極小(ほぼ満足) |
※金額はすべて著者の記憶に基づく一例です。実際の費用は時期・施工内容・地域・各社の見積により異なります。特定企業の優劣を示すものではありません。
TOP3を並べて見えてきたのは、共通する一本の線でした。とくに上位2つは、家を建てる前の打ち合わせの、ほんの数秒の判断から始まっている。「コンセント、これで足ります?」「掘りごたつ、どうします?」——その問いに、「あ、それでいいです」と軽く答えた、あの一瞬です。(3位の砂利は、むしろ固定材を入れた判断が正解で、ごく小さな心残りだけが残ったケースでした。)
当時の私は、見積の"今すぐ"の数千円を惜しみました。総額数千万円の家づくりの中で、数千円は誤差のように見える。けれど人は、大きな数字に慣れると、逆に小さな数千円ほど「削れるところ」に見えてしまう。そうやって削った数千円が、8年後、壁を開ける数万円の工事になって返ってくる。これが「後付けは高い」の正体です。
だからこそ、これから建てる人に伝えたい判断基準は、たった一つです。「それは、後から足せるか?」と自問すること。後から足すのが難しい・高くつくもの(コンセント、下地、配管、配線)は、建てるときに"多め・先回り"が正解。逆に、後からでも変えられるもの(家具、家電、カーテン)は、無理に建築時に決めなくていい。この線引きさえ持っていれば、私の3つの後悔は、たぶん起きませんでした。
「後から足しにくいもの」を建築時に先回りできるかは、打ち合わせで相談できる相手かどうかで大きく変わります。すまいのいろはPlusなら、複数社の相談先を無料で比較でき、コンセント計画や配線のような"後から高くつく部分"まで一緒に詰められます。建てる前の今こそ、情報を集めておくと数万円の後悔を防げます。
今日のTOP3には、実は救いがあります。どれも致命傷ではない。コンセントは多口タップでしのげるし電気工事で増設もできる。掘りごたつはフタを閉めれば普通の畳に戻る仕様だから、置物として邪魔になることもない。砂利にいたっては、グラベル固定でほぼ満足——タイヤが少し連れ去るだけ。高くつくものもあるが、取り返しはつく後悔です。だから、これらは「小さな後悔」なのです。
でも、第5章で私が本当に伝えたいのは、その先にあります。お金を出しても、もう直せない後悔。建ててしまったあとでは、どうにもならないもの。それを、これから一つずつ話していきます。今日はその入り口——「後付けで直せるなら、まだ幸せなほうだ」ということだけ、覚えておいてください。
念のため、もう一度書いておきます。私は、富士住建で建てた家に満足しています。だから、紹介します。今日の後悔は、家への不満ではなく、「建てる前の自分が、もう少し先を見越せていたら」という施主側の判断の話です。満足しているからこそ、いい面も、小さな後悔も、両方フェアにお伝えします。これから建てるあなたが、同じ数千円をケチらないように。
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